睡眠時無呼吸症候群について

睡眠時無呼吸症候群とは?

眠っているときに……大きないびきをかく、息が止まる、何度も目を覚ます
日中に……強い眠気を感じる、つい居眠りしてしまう、午前中に頭痛を感じる、だるさが取れない
こういった症状が思い当たる方は、いらっしゃいませんか?
もしかしたら、睡眠時無呼吸症候群かもしれません。

睡眠時無呼吸症候群は睡眠中に何回も呼吸が止まり、ぐっすり眠ることができない病気です。無呼吸が起こると無呼吸を無くそうと一時的に脳が起きてしまいます。無呼吸が頻繁に起こると低酸素血症をおこし、脳が頻繁に起きてしまうためよく眠れていない状態が続きます。その結果、日中に強い眠気を感じたり、大きないびきや頭痛などの症状が生じます。人口の2~3%が潜在患者といわれ、放置すると高血圧や心臓疾患、脳血管障害、糖尿病などに陥るといわれています。また日中の眠気のために仕事に支障をきたしたり、居眠り事故の発生率を高めるなど、社会生活に重大な悪影響をきたす可能性があります。

治療せずに放っておくとどうなるでしょうか?

睡眠中の低酸素血症は、生活習慣病と密接に関係しており、様々な合併症を高率にひき起こすことが報告されています。
健常人のリスクを1 とすると、睡眠時無呼吸症候群の方は、糖尿病は健常人の1.5 倍、高血圧は2倍、心疾患は3倍、脳血管障害は4倍、病気になる確率が増えると言われています。居眠りによって交通事故を起こす確率は健常人の7倍になるとされています。

睡眠時無呼吸症候群の種類と原因

大きく分けて閉塞性と中枢性の2 種類があります。

閉塞性睡眠時無呼吸症候群

上気道の閉塞により気流が停止するものです。無呼吸でも、胸や腹部の動きは認められます。睡眠時無呼吸症候群のなかで、多いタイプです。

中枢性睡眠時無呼吸症候群

脳からの呼吸指令が出なくなる呼吸中枢の機能異常によるもので、数%に見られます。気道は開いていますが、胸や腹部の動きが認められません。原因は様々ですが、心臓の機能が低下した方に多く見られるとされています。

睡眠時無呼吸検査の流れ

診察、検査説明、業者から連絡が入り検査日の日時調整を行い、自宅へ検査説明に伺います。一晩検査して頂き、翌日自宅へ検査装置回収に伺います。呼吸フローセンサー、経皮酸素飽和度センサー、呼吸努力ベルト、体位センサー、簡易検査、保険適応の為CPAP導入、AHI 40回以上→診察(治療の説明)、AHI 40回未満→入院、在宅での精密検査(フルPSG検査)または定期検査で経過観察、※AHI:睡眠1 時間あたりの無呼吸や低呼吸の合計回数

睡眠時無呼吸症候群の治療法について

CPAP療法(シーパップ療法)

CPAP(シーパップ)という鼻マスク式の呼吸器を使う治療です。鼻より空気を送り、閉塞した気道をおし広げることによって、睡眠時の無呼吸を軽減、酸素不足を解消し、睡眠の質を向上させ、睡眠時無呼吸症候群による高血圧症や心臓疾患など合併症を予防します。現在、CPAP療法は中等症以上の閉塞性睡眠時無呼吸症候群に対して、第一選択の治療とされています。

検査・治療の流れ、診察、検査説明、簡易検査、AHI 40回以上→診察(治療の説明)ご自宅へ機器設置、CPAP治療開始、診察(毎月)簡易検査(定期)、AHI 40回未満→入院、在宅での精密検査(フルPSG検査)または定期検査で経過観察※AHI:睡眠1 時間あたりの無呼吸や低呼吸の合計回数、AHI 20回以上は診察、AHI 20回未満は診察

CPAP を装着するにあたって

● CPAP の効果とは?

CPAP をご使用された次の日の朝はすっきり起きることができる、目覚めた時に爽快感がみられる、昼間の眠気がおさまる、など何らかの効果があらわれます。

● CPAP は寝ている間ずっと着けなければ効果が無いのでしょうか?

CPAP の装着には違和感が伴います。慣れないうちは1~2時間程度で外してしまうことがあるかもしれません。1~2時間であっても寝始めの深い睡眠をカバーできれば効果があらわれてくることがあります。CPAP に慣れるまで1 週間から1 ヶ月かかりますので、はじめは長時間無理して着けようとはせずに、毎日着けることを習慣付けてください。CPAP 使用の推奨時間は4 時間以上です。

● CPAP を着ける時は鼻呼吸を!

CPAP を着けている時は鼻呼吸を行って下さい。口呼吸をされる方でもCPAP をご使用されるようになれば、次第に鼻呼吸にかわってきます。

● CPAP 療法の治療費は?

CPAP をご使用されるにあたり、月1 回の外来受診が必要となります。
通院のない場合は、中止させて頂く場合がございますので、ご了承の程、宜しくお願い申し上げます。

その他の治療法

  • 口腔内装置(マウスピース)………下あごを前方に固定して、空気の通り道を開きます。
  • 生活習慣の改善………減量、寝る姿勢の工夫(横向きで眠る)、アルコールを控える など。
  • 手術………気道の閉塞の原因が、アデノイドや扁桃の肥大の場合。