骨の健康を守るための第一歩として「骨粗鬆症」をテーマにお届けするブログの第一弾です。今後は、予防法や治療の選択肢、生活習慣との関係など、さまざまな角度から骨粗鬆症に関する情報を発信していきます。
日本整形外科学会専門医 武部 健
骨粗鬆症(こつそしょうしょう)とは? ―骨のすき間が教えてくれる健康のサイン
年齢を重ねると、骨がもろくなりやすい――そんな話を耳にしたことはありませんか?
実は、日本には「骨粗鬆症(こつそしょうしょう)」の患者が1300万人以上いるとされています。今回は、骨粗鬆症の基本から検診の重要性まで、皆さんにお伝えします。
骨粗鬆症ってどんな病気?
「骨粗鬆症」とは、骨量が減って骨の中に“すき間”ができ、骨が弱くなってしまう状態のことです。
骨粗鬆症は
「粗:大ざっぱで、細かくないこと」
「鬆(す):煮すぎた豆腐などの内部にできるすきま」
という意味を持つ言葉からできています。
健康な骨は密度が高く、しっかりしていますが、骨粗鬆症の骨は網目のようにすき間が多く、スカスカでちょっとした転倒でも骨折しやすくなります。
骨折しやすい部位とその影響
骨粗鬆症によって骨折しやすい場所は、脊椎(せぼね)、大腿骨近位部(太ももの付け根)、橈骨遠位端(手首)、上腕骨近位部(肩まわり)などです。特に「脊椎」や「大腿骨近位部」の骨折は、QOL(生活の質)やADL(日常生活動作)に大きな影響を与えます。
兵庫県では女性の大腿骨近位部骨折の発生率が全国でも高く、「120」と示されています(全国平均を100とした場合)。男性では沖縄が最も高く「144」となっており、地域差も見逃せません。
検診率がカギを握る
骨粗鬆症の検診率が高い地域では、要介護率が低い傾向があります。つまり、早期に骨の状態を知り、対策をとることで、介護が必要になるリスクを減らせるのです。
また、検診率が高い地域では「人工骨頭挿入率」も低くなっています。人工骨頭置換術は大腿骨頸部骨折になった人が受ける手術の方法の一つです。つまり、検診によって骨折を防げている証拠とも言えるでしょう。
骨粗鬆症の予防と対策
検査によって早期発見・早期治療が可能になり、骨折を防ぐことができます。特に大腿骨や脊椎(せぼね)の骨折は、生活の質に大きく関わるため、予防が重要です。
予防や治療には薬物療法(くすり)だけでなく、運動や食事も含まれます。カルシウムやビタミンDの摂取、適度な運動、そして定期的な検診が、骨を守る第一歩です。
まとめ
骨粗鬆症は「見えない病気」ですが、放っておくと生活に大きな影響を与えます。だからこそ、骨密度検査を受けて骨の状態を知ることが大切です。
「骨折しないように」「生活レベルの維持」――これらはすべて、今の行動で守れる未来です。あなたの骨、今こそ見直してみませんか?