肩・肘・手・指の痛みについて
痛みの原因をしっかり見極めます
肩に痛みがあると、日常生活に伴う動作に支障をきたしてしまいます。棚の上にあるものを取る、服を着る、電車やバスの吊り革につかまるといった、何気ない動作が難しくなり、とても不便です。肩の痛みは、加齢や生活習慣のほか、スポーツが原因になることもあります。当院では、痛みの改善を目指して、しっかりとした診断に基づいた治療の提供に務めています。
幅広い角度から痛みを分析します
日常生活の中で、肘の働きを意識する機会は多くありません。しかし、肘は腕を振る、ものを持ち上げるといった動きや、手首や指の動きとも密接に関係しています。また、3本の骨が組み合わさり、筋肉や靭帯、腱などとともに動きをサポートしている複雑な部位でもあります。痛みの改善を目指して、当院ではさまざまな可能性を考えて幅広い角度からアプローチします。
医学的根拠に基づいて
診断します
手指は繊細な動きが求められるだけでなく、日常的な動作によって酷使されやすい部位でもあります。また、加齢に伴って筋肉の衰えや組織の変形などの問題が起こりやすくなり、日常生活に支障をきたすケースが少なくありません。当院では、医学的な根拠に基づいた治療やリハビリテーションを通して、症状の緩和、回復を目指します。
このような症状、
お悩みはご相談ください
– TROUBLE –
- 腕が上がらない
- 腕を後ろに回せない
- 肩こりがひどい
- 肩が重い
- 肩に違和感がある
- 鎖骨から肩にかけて痛い
- 指が痛い
- 指が伸びない、曲がらない
- タオルが絞れない
- 指先がしびれる
- 突き指をした
- 関節にできものがある
代表的な疾患
- 肩関節周囲炎
- 腱板損傷
- 肩関節脱臼
- 野球肩
- 上腕骨近位端骨折
- 石灰沈着性腱板炎
- など
- ばね指
- 手根管症候群
- 橈骨末端骨折
- テニス肘
- 腱鞘炎
- ヘバーデン結節
- ガングリオン
- など
主な疾患、症状
肩の疾患
肩関節周囲炎(四十肩・五十肩)
40~50代の人に多く、一般的に「四十肩・五十肩」と呼ばれる症状です。肩関節を包む関節包、靱帯、腱などの組織が老化して、炎症を起こすことで、肩から腕にかけての痛みが現れ、腕が上げづらくなります。痛みによって日常生活に伴うさまざまな動作に支障をきたします。
腱板損傷
肩の周囲には4つの筋肉から成る腱板と呼ばれる組織があります。この腱板が、打撲や無理な動きなどによってダメージを受け、痛みや動きの不具合が現れる疾患です。腱板は年齢とともに変性しやすくなり、損傷が進むと断裂を起こすおそれもあります。
肩関節脱臼
肩関節は靱帯や筋肉、軟骨で保護されていますが、構造自体が不安定なため、衝撃を受けると脱臼を起こしやすい傾向があります。特に前方に脱臼すると、強い痛みを伴います。一度脱臼してしまうと再発しやすい部位なので、運動療法などのリハビリで再発しづらい状態を目指します。
野球肩
主に過度のピッチングによって起こる肩やその付近の痛みを伴うトラブルで、投球障害肩とも呼ばれます。ボールをリリースする直前に、肘を内側に引っ張る力、さらに外側に圧迫力がかかることが原因と考えられています。我慢してプレーを続けると、神経や腱板の損傷につながるおそれがあります。
上腕骨近位端骨折
肩のつけ根の上腕骨の上の部分(頚部)が折れた状態です。特に50代以上の女性に多く見られ、加齢に伴って骨がもろくなった(骨粗しょう症)人が歩行中に転倒したり、手をついたりすることなどが原因となります。骨折の度合いによって、ギプスを用いて固定するほか、手術を行うケースもあります。
肘・手・指の疾患、症状
ばね指
指が引っかかったようになり、スムーズに伸ばしたり曲げたりできない状態をばね指と呼びます。無理に動かそうとすると、ばねがはじけるように動くのが特徴です。指の使い過ぎや関節炎などが原因と考えられ、母指(親指)、中指に多く、環指、小指、示指にもよく見られます。
手根管症候群
手の関節には手根管(しゅこんかん)と呼ばれる空洞があり、中に指を曲げるための腱と神経が通っています。この神経が何らかの原因で圧迫されることで起こるのが手根管症候群です。人によって範囲は微妙に異なりますが、親指、人差し指、中指、薬指半分のチクチク感やしびれ、痛み、灼熱感、夜間の疼痛、握力の低下などの症状が見られます。
突き指
スポーツなどで起こることが多い突き指は、通常は安静にしていれば痛みが治まり、障害が残る心配もありません。しかし、単なる突き指と考えていても、腱が切れていたり、骨が折れたりしている場合もあるため、
医療機関を受診することをおすすめします。
※突き指は正式な医学用語ではありません。
橈骨末端骨折
手首より2~3cm肘よりの親指側にある橈骨(とうこつ)と呼ばれる太い骨の骨折です。腫れや痛みを伴い、手のひらから手首を横から見ると、フォ-ク状に曲がって見えるのが特徴です。骨がもろくなった高齢者が転倒して、手をついた場合などに起こりやすい骨折です。
野球肘
野球肘は、肘にかかる過度なストレスが原因で、骨や軟骨が損傷し、靭帯や腱が痛む疾患です。特に繰り返される投球動作により野球選手に多く見られ、放置すると肘が動かなくなる可能性があります。痛みがある場合は早めに医師の診断を受け、適切な治療を進めることが大切です。
テニス肘
中年以降のテニス愛好家によく見られることからこの名前で呼ばれています。物をつかんで持ち上げる動作やタオルを絞る動作などの際に、肘の外側から前腕にかけて痛みを感じます。多くの場合、安静時の痛みはありません。現在のところ、原因については明らかになっていません。
腱鞘炎
腱鞘炎は、骨と筋肉をつないでいる腱と、腱が通っている「腱鞘」という管の組織に炎症が起きた状態です。炎症に伴って腱鞘が肥大化したり、腱が炎症を起こしたりして、腱鞘の中を腱がスムーズに動かなくなるため、関節がスムーズに曲げ伸ばしできなくなり、腫れや痛みなどを生じます。
へバーデン結節
手の指の第1関節が変形して曲がってしまう原因不明の疾患です。主に人差し指から小指にかけての第1関節が赤く腫れて曲がり、痛みを伴うこともあります。関節の手の甲側にミューカスシスト(粘液嚢腫)と呼ばれる、水袋のように透明なでっぱりができることもあります。
ガングリオン
主に手の甲側の関節付近にゼリー状の物質が詰まった袋状の腫瘤(しゅりゅう)ができる疾患です。手のひらや手首の関節周辺にできることもあり、まれに足や足首でも見られます。悪性の腫瘍ではないので特に心配は不要ですが、気になる場合は医療機関を受診してください。
関節リウマチ
関節リウマチは、関節部の炎症によって軟骨や骨が破壊され、関節機能が障害される疾患です。この状態を放置すると、関節が徐々に変形してしまいますので、異変を感じたら早めに診断と治療を行うことをおすすめします。
よくあるご質問
高いところにある物を取ろうとして、腕がうまく上がらないことに気づきました。痛いので無理な動作は避けたほうが良いのでしょうか?
痛みがあるからと動かさないでいると、炎症を起こした組織が癒着して、関節の可動域が狭くなり、さらに強い痛みを感じたり、動かしにくくなったりするおそれがあります。適したリハビリテーションを受けて、多少痛みを伴っても動かすことが大切です。
息子がバスケットボールをして突き指をしてしまいました。部活を休ませて様子を見ていても問題ありませんか?
突き指の状態は、軽症から重症までさまざまです。指を引っ張らないようにして、安静に保ち、痛みが治るのを待てば良いこともあります。しかし、骨の一部が剥がれ落ちる骨折が起こっている場合や腱が損傷している場合もあるので、内出血や腫れ、強い痛みを伴う場合は、早めに医療機関を受診してください。