理学療法士 木下朝陽
2月になりました。温かいスープを飲みたくなる季節ですね。今回のテーマは「食事と代謝」についてです。
食事と体温の関係
皆さんは「食事誘発性熱産生(DIT)」をご存じでしょうか。DITとは食事をした後に安静にしていても代謝が上がっていることを言います。食事をすると、数時間以上にわたりエネルギー代謝が増加し、体温が上昇します。3大栄養素であるタンパク質・脂質・糖質の消化によっても、エネルギー代謝が大きくなり、産熱効果が高くなることが確認されています。3大栄養素のうち、タンパク質を多くとるとエネルギー代謝が最も大きくなり、体温が上がります。
食べる早さがDITに与える影響
「早食いの人は太りやすい」と言うことを聞いたことないでしょうか。DITは早食いよりもゆっくり食べた時のほうが大きくなると報告されています。つまり、ゆっくり食べる事で熱産生が大きくなり代謝が上がります。
咀嚼(そしゃく)は消化の第一段階です。咀嚼回数が増加すると唾液の分泌量が増加します。つまり、よく噛んで食べることで消化が促進されます。また、咀嚼は消化器官の活動を活性化させます。
DITと運動
食事をした後だけでなく、運動をしたときにも同じく体温の上昇が見られます。加齢や運動不足で筋肉が衰えると、基礎代謝だけでなくDITも低下しますが、運動習慣のある人は筋肉量が維持されるため、DITは高くなります。
DITを高める方法
・暖かいものを食べる
・よく噛んで食べる
・1日3食しっかり食べる(特に朝食)
・持続的な運動をする(有酸素運動:ジョギングなど)
など
2月は節分やバレンタインデーなど食べ物に関わる行事があります。そのような日や普段の食事の際に少しでも参考にして頂けたらと思います。