理学療法士:太田 有哉
春は1年のうちで寒暖差が大きく、気温の変化に対応するため、体は交感神経(*:下記参照)の働きが優位な状態(緊張状態)が続きやすくなります。この状態では、疲れが溜まりやすくなり、免疫力が低下し、胃腸の働きが落ちる、肩や腰が痛くなる、寝つきが悪くなるなどの症状が現れやすくなります。
また春は、異動や転勤・入学などにより新生活が始まり生活が大きく変化する季節です。新しい環境に慣れるまで、普段より緊張する機会やストレスを感じることが多く、自律神経(**:下記参照)が乱れやすくなります。
*交感神経:自律神経の一部。活動時やストレス時に活発になり、心拍数をあげたり、血圧を上昇させたりして体を活動的にさせます。
**自律神経:自分の意思とは関係なく働いている神経で、交感神経(アクセルの役割)と副交感神経(ブレーキの役割)の2種類で構成されています。この2つの神経がバランスをとることで体の健康を保っています。体温の調整や食べ物の消化など生きていく上で欠かせない生命活動を維持するために働いています。
以下の症状に当てはまったら要注意!
- 身体がだるい、疲れが取れない
- 気力がわかない、やる気が出ない
- 気候の変化に弱い
- 朝起きられない、日中に眠い
- めまい、たちくらみ
- 頭痛、肩こり
自律神経を整えるために、次のことに気を付けてみましょう。
・生活リズムを整える
生活リズムの乱れは自律神経の乱れに繋がります。休日もできるだけ決まった時間に起床し、起きた後はカーテン を開けて部屋に朝日が入るようにしましょう。また、朝食を食べることは生活リズムを整えることに有効です。
・自律神経を整える作用のあるものを積極的に食べる
ビタミンC・ビタミンE・カルシウムを摂るように意識する。
ビタミンCを多く含む食品:みかんやいちごなどの果物、イモ類など
ビタミンEを多く含む食品:魚介類・ナッツ類・アボカドなど
・良質な睡眠をとる
就寝前に目元や首元を温めるなど、リラックスできる工夫を取り入れてみましょう。
・体温調節ができる服装を心掛ける。
簡単に着脱できる薄手のシャツやカーディガンなどを重ね着し、ストールを活用しましょう。また、カイロを常備しておくこともお勧めです。
・ストレスを解消させる
イライラなどのストレスをストレッチやウォーキングなど身体を動かすことで気分転換を図り、心身をリフレッシュ。
季節による影響は避けられないので、日常にちょっとした工夫を取り入れ、春を楽しく過ごしましょう。