骨を丈夫にして充実した人生を!!!|尼崎市の整形外科|武部整形外科リハビリテーション|耳鼻咽喉科、デイケア

健康コラム TOPICS

2025.5.12

骨を丈夫にして充実した人生を!!!

理学療法士 河島立毅


みなさんこんにちは。春の桜が咲いたかと思えばあっという間に散ってしまい気温もすっかり暑くなりました。その分、身体を動かしやすい気候でもあり、例えば大阪関西万博に行かれる等お出かけの予定を立てている方もおられると思います。

ここで注意してほしいのが【骨折】です。冬の寒い時期に運動不足だった方が、暖かくなり急に動こうとすると身体がついてこずに転倒し、骨折してしまうことがあります。また、運動不足によって【骨粗鬆症】が進行している恐れもあります。夏を元気に過ごすために骨粗鬆症の対策をしていきましょう!

 

そもそも骨粗鬆症とは何なのか?それは『骨の密度が低下して骨折しやすくなっている状態』でこれを骨脆弱化が進んでいるといいます。

 

なぜ骨の密度が低下するのか説明します。人間の骨は『骨を作る(骨形成)→古くなった骨を壊す(骨吸収)→新しく骨を作る(骨形成)』このようなサイクルで健康な骨を維持しています。骨形成は「骨芽細胞」が、骨吸収は「破骨細胞」がそれぞれ働きます。しかし、骨芽細胞は様々な要因により活動量が低下し、(要因についてはのちほど触れます)、骨のバランスが崩れて、骨粗鬆症になります。

 

骨芽細胞の活動性が低下する原因は主に①閉経②加齢③運動不足の3点が挙げられます。また栄養が不足していると骨芽細胞が働いても骨を作る材料や細胞のエネルギーが不足するため骨形成が上手くいきません。加齢と閉経は避けられません。そのため、骨粗鬆症を防ぐには1.適度な運動 2.適切な栄養補給が大切です。

 

いったい、どのような運動や栄養が骨粗鬆症の予防に良いのでしょうか?

運動:骨に刺激を与えることが重要です。なぜなら骨に刺激が入ることで骨芽細胞が活発化するからです。

運動はウォーキング、スクワット、片足立ち、かかと上げ下げなどがおすすめです。当院の過去の院内新聞「つなぐ」の記事で、詳しく紹介していますので、ぜひ一度ご覧ください

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栄養:骨の材料になるカルシウム・たんぱく質、カルシウムの吸収を助けるビタミンD、骨形成を助けるビタミンKなどが重要です。他にはビタミンB群、ビタミンC等も好ましい栄養です。逆にナトリウムは尿へのカルシウム排泄を促す働きがあるので、過剰摂取は避けましょう。ナトリウムの多い食べ物の代表は、加工食品やインスタント食品です。食材ではありませんが、喫煙は骨に直接悪影響をあたえ、過度の飲酒は骨折増加につながります。また、カフェインの過剰摂取は骨形成を抑制して骨折の増加に繋がります。

 

カルシウムの多い食べ物

牛乳、ししゃも、干しエビ、小松菜など

ビタミンDの多い食べ物

さけ、ぶり、きのこ類など

ビタミンKの多い食べ物

ほうれんそう、小松菜、納豆など

 

 

適度なエネルギーの補充と栄養バランスのよい食事をとること、そして過度の嗜好品の摂取を避けることが骨折の予防のポイントです。

 

さらに重要なことは自分の骨の状態を知ることです。「自分は運動しているので大丈夫!!」そう思っていてもじわじわと骨密度は低下し、骨折の危険性があがっていることがあります。当院は骨粗鬆症外来も開設しており、骨粗鬆症の治療に力をいれています。また、当院では骨粗鬆症学会が推奨している機械で骨密度の測定を行い、骨粗鬆症の診断・治療をしております。ぜひ、現在のご自分の骨量を測ってみましょう。骨密度が低く、骨粗鬆症と診断されたら、骨折を予防するために治療を開始しましょう。骨粗鬆症の治療は運動、食事、薬、この3つがカギになってきます。

 

骨折を防ぎ元気で充実した人生を送るために、ぜひ一度ご自身の骨の状態を調べてみてはいかがでしょうか。