日本整形外科学会専門医 武部 健
「骨がもろくなって、折れやすくなる病気」と聞いて、思い浮かぶのは「骨粗鬆症(こつそしょうしょう)」ではないでしょうか。実は、日本にはこの病気の方が1500万人以上いるといわれています。特に高齢になるほどリスクが高まり、知らないうちに骨折してしまうことも。
今回は、骨粗鬆症の診断に欠かせない「骨密度測定」について、わかりやすくご紹介します。
【骨粗鬆症とは?】
骨粗鬆症とは、「骨量が減って、骨が弱くなり、骨折しやすい状態」のこと。健康な骨は密度が高く、しっかりとした構造をしていますが、骨粗鬆症になるとスカスカになり、ちょっとした転倒でも骨折してしまうことがあります。
診断には「骨密度」が重要です。これは、健康な若い成人の平均値(YAM)と比べて、どれくらい骨がしっかりしているかを数値で示すものです。特に「腰椎(せぼね)」と「大腿骨近位部(太ももの付け根)」の骨密度が重要です。
【骨密度の測定方法】
骨密度を測る方法はいくつかありますが、代表的なのは以下の3つです。
- DEXA法(デキサ法)
エックス線を使って、脊椎(背骨)・大腿骨・前腕など全身の骨密度を測定します。診断にも治療効果の判定にも使える、骨粗鬆症の治療のガイドラインで推奨されている方法です。 - MD法
中手骨(手の甲の骨)をエックス線で測定します。簡便ですが、ばらつきが大きく、治療効果の判定には向いていません。 - QUS法
踵(かかと)の骨を超音波で測定します。骨粗鬆症の検診には使えますが、診断や治療には不向きです。
この中でも、DEXA法が最も信頼性が高く、当院の検査もDEXA法を使っています。
【骨の種類と測定部位の違い】
骨には「皮質骨」と「海綿骨」という2種類があります。皮質骨は硬くて密度が高く、海綿骨は柔らかい部分です。
例えば、骨の構造は大腿骨頚部(太ももの付け根)では皮質骨が75%、海綿骨が25%。一方、胸腰椎(背骨)では海綿骨が75%と多くなっています。測定部位によって骨の構造が違うため、診断には複数の部位を測ることが推奨されています。
【まとめ】
骨密度測定は、骨粗鬆症の早期発見と予防に欠かせない検査です。特に高齢の方や、骨折の経験がある方は、一度検査を受けてみることをおすすめします。
「骨折しやすい状態になる前に、骨の状態を知る」
それが、健康な生活を守る第一歩です。骨密度測定を通じて、あなたの骨の健康を見直してみませんか?