【新学期に増える腰痛…実は「腰椎分離症」かもしれません】|尼崎市の整形外科|武部整形外科リハビリテーション|耳鼻咽喉科、デイケア

健康コラム TOPICS

2026.5.12

【新学期に増える腰痛…実は「腰椎分離症」かもしれません】

日本整形外科学会専門医   武部 健

新学期が始まり、生活リズムやスポーツ環境が大きく変わるこの季節。
外来でも「腰が痛い」「動くと違和感がある」という相談が増えてきました。

先日も、働き盛りの大人の方が腰痛で受診され、検査の結果“腰椎分離症”と診断されました。学生に多い病気と思われがちですが、実は学生時代にできた分離症が、大人になってから腰痛として現れることもあります。
今回のケースでも、昔のスポーツ経験が影響していた可能性があり、成長期の腰痛を放置しないことの大切さを改めて感じました。

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【腰椎分離症とは?】
腰椎分離症は、腰の骨(腰椎)の後ろ側にある「椎弓」という部分に小さなひびが入る状態です(疲労骨折)。
特に成長期の中高生に多く、野球・サッカー・バレーなど、腰を反らす・ひねる動作を繰り返すスポーツで起こりやすいとされています。

新学期や進学で環境が変わると、
・練習量が増える
・新しいフォームに挑戦する
・筋力が追いつかない
といった理由で、腰への負担が急に増えることがあります。

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【学生世代は特に“早めの受診”が大切】
成長期の骨はまだ柔らかく、負担が続くとひびが入りやすい状態です(疲労骨折)。
「そのうち治るだろう」と我慢して運動を続けると、ひびが広がり、治りにくくなることもあります。

さらに、学生時代にできた分離症が気づかれないまま残り、
大人になってから腰痛として再び問題になるケースも少なくありません。

次のような症状がある場合は、早めの受診をおすすめします。
・腰を反らすと痛い
・走ると響く
・練習後に痛みが強くなる
・数日休んでも痛みが引かない


【早期発見にはX線とMRIが重要です】
腰椎分離症は、初期の段階で見つけられるかどうかが治りやすさを大きく左右します。

・X線(レントゲン)
 骨の形やひびの有無を確認する基本の検査です。
 進行した分離症はX線で分かりやすく写ります。

・MRI
 初期の“ひびの入り始め”はX線では写らないことがあります。
 MRIでは、ごく初期の分離症を見逃さずに発見できます。

特に学生世代は、早期に見つけることで自然治癒が期待できるため、
X線とMRIの両方を組み合わせた評価がとても大切です。

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【まとめ】
新しい環境が始まるこの時期は、腰に負担がかかりやすい季節です。
特に学生世代は、早期発見が治療のカギになります。大人の場合は、すでに学生時代に分離症が起きていて、それが気づかれないまま残り、今の腰痛の原因になっている可能性もあります。 成長期の腰痛を放置しないことが、将来の健康にもつながります。

腰の違和感を感じたら、無理をせず、早めに受診してください。
健康な体で、日常生活やスポーツを長く楽しんでいきましょう。