骨粗鬆症の診断は? ―骨の強さを「見える化」する大切なステップ  ―骨粗鬆症第2弾―|尼崎市の整形外科|武部整形外科リハビリテーション|耳鼻咽喉科、デイケア

健康コラム TOPICS

2026.3.9

骨粗鬆症の診断は? ―骨の強さを「見える化」する大切なステップ  ―骨粗鬆症第2弾―

日本整形外科学会専門医  武部 健

骨の健康を守るためのシリーズ第2弾です。前回は「骨粗鬆症とは何か」についてお伝えしましたが、今回はその診断方法に焦点を当てます。骨は外から見えないからこそ、正しく調べることが重要です。早期発見が、骨折予防と生活の質の維持につながります。

骨粗鬆症とは?

骨粗鬆症とは「骨量が減って、骨が弱くなり、骨折しやすい状態」のことです。日本には1500万人以上の患者がいるとされ、特に高齢者に多く見られます。実際、転倒・骨折は要介護の原因の約12%を占めており、骨の状態を知ることは将来の生活を守る第一歩です。

診断の基準:骨密度と骨折歴がポイント!

骨粗鬆症の診断には、
骨密度の測定
②脆弱性骨折(軽い力で起こる骨折)の有無

この二つが重要です

脆弱性骨折とは

立った姿勢からの転倒など、強い衝撃でもなく起こる骨折のことです。
対象となる部位は、以下の通りです。

・椎体(背骨)
・大腿骨近位部(太ももの付け根)
・肋骨
・骨盤(恥骨・坐骨・仙骨)
・橈骨遠位端(手首)
・上腕骨(肩に近いうでの骨)
・下腿骨(すね)

診断基準はこうなります

*脆弱性骨折がある場合

  • 椎体(背骨)または大腿骨近位部の骨折があれば骨粗鬆症
  • それ以外の脆弱性骨折があり、骨密度がYAMの80%未満なら骨粗鬆症


*脆弱性骨折がない場合

  • 骨密度がYAMの70%以下であれば骨粗鬆症
  • YAMとは?


健康な若い成人の骨密度の平均値のことです。
腰椎は20~44歳、大腿骨近位部は20~29歳のデータが基準になります。

骨密度が高いほど、骨折リスクは低くなる

骨密度は、骨の強さを示す大切な指標です。
骨密度が高い=骨がしっかりしている=骨折しにくい
という関係があります。

特に大腿骨近位部(太ももの付け根)や背骨の骨密度が低いと、転倒時の骨折リスクが大きく上がります。
逆に、これらの部位の骨密度が高いほど、将来の骨折を防ぐ力が強くなります。

検査から始まる予防と治療

検査を受けることで、骨粗鬆症の早期発見・早期治療が可能になります。治療には薬物療法(くすり)だけでなく、運動指導や栄養指導も含まれます。

まとめ

骨粗鬆症は「静かに進行する病気」です。骨折による痛みが出る前に、骨密度を測定し、骨折リスクを知ることが大切です。検査は短時間で終わり、痛みもありません。
骨密度検査を行い、「骨の強さを見える化」して、今後の生活をより安心して過ごしましょう。

次回は、骨密度の検査方法について紹介します。