日本整形外科学会専門医 武部 健
東京大学の研究グループが、全国約150万人のスマートフォン利用者の歩数データを分析し、日本の市区町村ごとの「歩数の格差」を明らかにしました。全国951市区町村の平均歩数は4,026〜7,750歩/日と、最大で約3,700歩もの差があることが報告されています。歩きやすい環境(ウォーカビリティ)が高い地域ほど歩数が多いという傾向も示されました。
では、私たちが暮らす尼崎市の歩数はどうでしょうか。公開されている市区町村別データによると、尼崎市の平均歩数は6980歩/日です。全国平均のちょうど中間からやや高めで、都市部としては比較的よく歩かれている地域といえます。駅周辺の利便性、商店街の多さ、平坦で移動しやすい地形など、尼崎市の生活環境が日常の歩行を自然に増やしていると考えられます。
一方で、研究では 働き方や生活の状況の違いによっても、歩く量に差が出ることが示されました。 特に「歩きやすい地域」では、働いている人と働いていない人の歩数差が1,500歩以上になるケースもあり、日々の生活リズムや生活スタイルの違いが歩行量に影響していることがわかりました。
整形外科の視点からお伝えしたいのは、歩くことは最も手軽で効果の高い健康習慣だということです。筋力維持、転倒予防、血圧や血糖の改善、気分の安定など、歩行がもたらすメリットは非常に多く、医学的にも確立しています。
まずは、今より+1,000歩を目標にしてみませんか。1000歩はおよそ10分の歩行に相当しますが、歩く速さによっては8〜9分ほどで達成できる方も多く、日常生活の中で無理なく取り入れられる量です。
・駅まで一駅分歩く
・エレベーターではなく階段を使う
・買い物ついでに少し遠回りする
こうした小さな工夫で、無理なく歩数を増やすことができます。
尼崎市は比較的歩きやすい環境が整っているので、日常の中に「ちょっと歩く」時間を取り入れてみてください。歩くことは、未来の自分への投資です。当院でも、膝や腰の痛みで歩きづらさを感じる方には、症状に合わせた運動方法をご提案しています。気になる症状があれば、どうぞお気軽にご相談ください。