スポーツ名のついた疾患シリーズ:第5回「ゴルフ肘(内側上顆炎)」|尼崎市の整形外科|武部整形外科リハビリテーション|耳鼻咽喉科、デイケア

健康コラム TOPICS

2026.8.21

スポーツ名のついた疾患シリーズ:第5回「ゴルフ肘(内側上顆炎)」

日本整形外科学会専門医 武部 健

最近、ゴルフやテニス、野球など腕を使うスポーツを続けていて、肘の内側にズキッとした痛みを感じる方が増えています。 また、家事や仕事で手をよく使う方にも同じような症状が起こることがあり、「テニス肘との違いは?」「自然に治るのだろうか?」といった不安を抱えて来院されるケースが尼崎市でも多く見られます。

結論として、ゴルフ肘は“使いすぎによる腱の炎症”であり、早めのケアで改善が期待できます。 無理を続けると慢性化しやすいため、痛みを感じた段階で対処することが大切です。

ゴルフ肘とは?

ゴルフ肘は、手首を曲げたり物を握ったりする際に働く前腕の内側の筋肉が、肘の内側で繰り返し引っ張られることで起こる炎症です。 医学的には「上腕骨内側上顆炎(じょうわんこつないそくじょうかえん)」と呼ばれます。ゴルフのスイングでは手首を強く使うため、この部位に繰り返しストレスがかかりますが、実際にはスポーツをしていない方にもよく見られる身近な疾患です。

どんな症状が出るのか

・肘の内側がズキッと痛む
・ペットボトルを持つと痛みが走る
・手首を曲げる動作で痛む
・握力が落ちたように感じる
・前腕の内側が重だるい

日常生活の中で「いつもの動作がしづらい」と感じることが増えてきたら、早めの対処が必要です。

原因は“使いすぎ”と“筋肉の硬さ”

ゴルフ肘の主な原因は、前腕の筋肉に繰り返し負荷がかかることです。 スポーツだけでなく、デスクワークや細かい作業、重い荷物を持つ習慣などでも発症します。 特に、練習量や作業量を急に増やしたタイミングで痛みが出ることが多く、身体の準備が追いつかないまま負荷がかかることが一因となります。

治療の基本は“炎症を抑え、負荷を減らすこと”

まずは痛みの出る動作を控え、炎症を落ち着かせることが重要です。

保存療法
・アイシング
・前腕のストレッチ
・湿布や内服薬
・バンド型サポーターの使用

リハビリテーション
・前腕屈筋群(手首を曲げる筋肉)の柔軟性改善
・手首の使い方の見直し
・肩や体幹の安定性を高めるトレーニング

注射治療
痛みが強い場合には、炎症を抑える注射が有効なことがあります。

放置するとどうなる?

痛みが慢性化し、 ・物を持つ動作が困難になる ・スポーツ復帰が遅れる ・肘の可動域が低下する といった問題が起こることがあります。 早めの相談が、改善への近道です。

よくある質問(FAQ)

Q:自然に治りますか?
A: 軽症なら改善しますが、使い続けると慢性化しやすい疾患です。

Q:テニス肘との違いは?
A: ゴルフ肘は肘の“内側”、テニス肘は肘の“外側”に痛みが出ます。

Q:運動は続けてもいいですか?
A: 痛みが強い時期は控え、炎症が落ち着いてから再開するのが安全です。

 

肘の痛みは、使いすぎや筋肉の硬さが原因で起こりやすい症状です。気になる違和感が続くときは、早めに整形外科でチェックしておくと安心です。阪神間で肘の不調が気になる方は、どうぞお気軽にご相談ください。