スポーツ名のついた疾患を紹介するシリーズ:第4回「ジャンパー膝」|尼崎市の整形外科|武部整形外科リハビリテーション|耳鼻咽喉科、デイケア

健康コラム TOPICS

2026.8.3

スポーツ名のついた疾患を紹介するシリーズ:第4回「ジャンパー膝」

 日本整形外科学会専門医 武部 健

スポーツの動きがそのまま名前になった疾患シリーズの第4弾は、「ジャンパー膝(ジャンパーズニー)」です。バレーボールやバスケットボールのようにジャンプ動作が多い競技でよくみられますが、実は部活動の学生や社会人スポーツを楽しむ方が多い尼崎でも相談の多い膝の痛みの一つです。

ジャンパー膝の正式名称は 膝蓋腱炎(しつがいけんえん)。膝のお皿(膝蓋骨)からすねの骨に向かって伸びる膝蓋腱に繰り返し強い負荷がかかり、炎症を起こすことで痛みが生じます。特に、ジャンプの着地やダッシュの開始時など、膝に急激な力が加わる場面で痛みが出やすいのが特徴です。

痛みの場所は膝のお皿のすぐ下あたりで、「階段を降りると痛む」「ジャンプの着地でズキッとする」「練習後に膝の前が重だるい」といった訴えが多く聞かれます。尼崎では、体育館でのバレー・バスケの練習量が増える時期や、部活動の大会前に発症するケースがよく見られます。

原因としては、

  • ジャンプやダッシュの繰り返し
  • 太ももの前の筋肉(大腿四頭筋)の硬さ
  • 練習量の急激な増加
  • 着地フォームの乱れ
  • 成長期のオーバーユース(中高生に多い)など が挙げられます。


治療の基本は 炎症を抑えつつ、負荷のかかり方を改善すること。痛みが強い時期は無理にジャンプを続けず、アイシングや消炎鎮痛剤で炎症を落ち着かせます。その後、太ももの前の筋肉のストレッチ、膝周りの柔軟性改善、体幹の安定性を高めるトレーニングを行います。必要に応じて、ジャンプの着地フォームを見直すことで再発予防につながります。

また、成長期の学生では、練習量の調整が非常に重要です。大会前はどうしても練習が増えますが、痛みを我慢して続けると長期化することがあるため、早めの相談が回復への近道になります。

ジャンパー膝はスポーツを頑張る人ほど起こりやすい疾患ですが、適切なケアで改善し、競技に戻ることができます。尼崎でスポーツを楽しむ方々にも、この疾患の特徴や予防のポイントを知っておいていただきたいと思います。