日本整形外科学会専門医 武部 健
「運動不足を感じているけれど、急に運動を始めるのは気が重い」 「近くで気軽に歩ける目的地がほしい」 そんな方に向けて、当院から徒歩圏内にある文化財建築を訪ねる“散歩”を提案します。
■旧大庄村役場(現在:大庄南生涯学習プラザ)とは
旧大庄村役場(現在:大庄南生涯学習プラザ)は、近代建築の巨匠 村野藤吾(1891–1984) が設計し、昭和12年(1937年)に建設された歴史的建造物です。水平ラインの美しさややわらかな曲線、光を取り込む窓の配置など、村野らしい人に寄り添うデザインが随所に見られます。近づくほどにその魅力が際立ち、散歩の途中で思わず足を止めたくなる建物です。
この建物は、地域の歴史とともに役割を変えてきました。まず、建設当初は大庄村役場として地域行政の中心を担いました。 町村合併後は尼崎市役所大庄支所として住民の生活を支え、続いて尼崎市立大庄公民館として学習や文化活動の場となりました。 そして現在は、大庄南生涯学習プラザとして再整備され、講座・市民活動・地域イベントなど、幅広い交流の拠点となっています。
さらに、この建物は国の登録有形文化財に指定されており、地域の歴史と文化を象徴する貴重な建築物です。また、村野が設計した初めての庁舎建築であることから、建築史の専門家や建築ファンからも人気の高い建物です。
■歩いて訪れることの健康効果
歩行は、医学的に最も安全で効果的な運動のひとつです。心肺機能の改善、血圧の安定、気分のリフレッシュ、睡眠の質向上など、多くの効果が科学的に確認されています。
しかし、「運動しなければ」と思うと、どうしても気が重くなるものです。そこでおすすめなのが、“目的地のある散歩”です。
大庄南生涯学習プラザまでは、当院から徒歩約15~20分。 季節の風を感じながら歩くのにちょうど良い距離です。歴史ある建物を目指して歩くことで、運動が「義務」ではなく「楽しみ」に変わります。
■まとめ
歴史を重ねてきた建物を訪ねる散歩は、心にも体にも良い時間になります。 「健康のために歩こう」ではなく、「文化財を見に行こう」から始める。 それが、無理なく続けられる健康習慣です。
ぜひ一度、旧村役場として建てられ、その後の役割を変えながら現在の大庄南生涯学習プラザへと受け継がれてきた建物の歴史に触れに歩いてみてください。
大庄南生涯学習プラザ 尼崎市大庄西町3丁目6-14
ホームページ、参考サイト; 大庄南生涯学習プラザ Web版 図説尼崎の歴史-近代編