理学療法士 北岡孝雄
「最近、歩くのが遅くなった」「椅子から立ち上がるのが大変」「外に出る機会が減った」――そんな変化を感じていませんか?年齢とともに脚の筋力が低下すると、歩行や階段の昇り降りなど、日常生活のさまざまな動作に影響します。そこで今回は、当院デイケアで取り組んでいる「足首クロス運動」について紹介します。
足首クロス運動とは?
足首クロス運動は、太ももの前にある大腿四頭筋(特に内側広筋)を効率よく鍛えられる簡単なトレーニングです。椅子に座ったまま行えるので、運動が苦手な方でも続けやすいのが特徴です。
- 座った状態で両膝を90度に曲げます。
- 右足を少し後ろ、左足を少し前に出して、足首同士が交差するように重ねます。
- 右足は前に蹴り上げるように力を入れ、左足は右足の動きを足首で押さるようにブロックします。
- 両足首で押し合った状態を6秒間キープします。
- 足を組みかえて、同様に6秒間行います。これを左右5回ずつ行います。

6か月間の取り組みで見えた変化
当院では2025年3月~9月、平均83.9歳のデイケア利用者18名を対象に、足首クロス運動を1日1回、左右6秒ずつ、6か月間実施しました。集団体操や個別リハビリで指導するだけでなく、自宅でも毎日取り組んでいただきました。
その結果、大腿四頭筋の筋力は、足首クロスを行う前の10.8kgから6か月後には11.4kgへ改善が確認できました。
「日常生活のやりやすさ」が増えることが大切
今回、特に注目したいのが日常生活動作の変化です。運動を開始したことで、
「日中の散歩・買い物」・「椅子から立ち上がる」・「1人でお風呂に入る」などの日常生活が行いやすくなったか質問したところ、「改善した」と回答した方が増えました。
筋力をつけることは、単に筋力を上げるだけではありません。歩く、立つ、出かける、お風呂に入る――こうした毎日の生活を過ごしやすくする力につながります。
無理なく続けることが未来の身体をつくる
今回の結果から、6か月間の継続的な足首クロス運動によって、大腿四頭筋の筋力が増えて、日常生活動作にも改善がみられました。
大切なのは、一度頑張ることではなく「継続すること」。簡単な運動でも、毎日の習慣にすることで身体を支える力になります。いつまでも自分らしく動ける身体を目指して、できることから少しずつ運動を始めてみましょう。やり方がわからない方は、理学療法士にお尋ねください。一緒に運動に取り組みましょう!!