スポーツ名のついた疾患シリーズ:第7回「ボクサー骨折(中手骨骨折)」|尼崎市の整形外科|武部整形外科リハビリテーション|耳鼻咽喉科、デイケア

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2026.8.31

スポーツ名のついた疾患シリーズ:第7回「ボクサー骨折(中手骨骨折)」

日本整形外科学会専門医 武部 健

拳を強く打ちつけたあと、手の甲がじんわり腫れてきて、握る動作でズキッと痛む──。 スポーツ中の接触や、思わず壁を叩いてしまった場面など、日常のちょっとした衝撃でも起こりうるのが「ボクサー骨折」です。 特に若い世代では「そのうち治るだろう」と様子を見てしまい、気づいたときには手の形が変わっていた、というケースも少なくありません。

結論として、ボクサー骨折は“拳を強く打ちつけた際に起こる中手骨の骨折”であり、早めの評価と適切な固定が回復の鍵になります。 放置すると変形が残ることがあるため、痛みや腫れが続く場合は早めの受診が大切です。

ボクサー骨折とは?

ボクサー骨折は、こぶしの出っ張りのすぐ下にある細い部分が折れる骨折です。拳を握った状態で壁や硬い物を叩いたり、スポーツ中に強い衝撃が加わったりしたときに起こります。

パンチが真っ直ぐ強く入った場合は第2・第3中手骨が折れることがありますが、一般の方では第4・第5中手骨のこの細い部分が折れることが多く、これがいわゆる「ボクサー骨折」と呼ばれます。

名前の通りボクシングや格闘技で多い外傷ですが、実際には日常生活のちょっとした衝撃でも起こりうるため、スポーツをしていない方にも見られる身近な骨折です。

どんな症状が出るのか

・小指側の手の甲が腫れて痛む
・拳を握ると痛みが強くなる
・小指側の手の甲がへこんで見える
・物を握る力が入りにくい

痛みが強い場合だけでなく、「少し腫れているだけ」と感じても骨折していることがあります。

原因は“拳を強く打ちつける衝撃”

ボクサー骨折は、拳を握った状態で強い力が加わることで起こります。

・壁や柱を叩いた
・スポーツ中に相手や物に拳が当たった
・ミット打ちで拳の当たり方が悪かった
・転倒して手をついた

特に、拳の当たり方が悪いと小指側に力が集中し、骨折しやすくなります。

治療の基本は“適切な固定と変形の予防”

ボクサー骨折は、骨が折れた方向によっては変形が残りやすいため、早期の評価が重要です。

保存療法
・ギプスやシーネによる固定
・腫れを抑えるためのアイシング
・痛み止めの使用
・固定後のリハビリテーション

手術治療
骨のずれが大きい場合や、変形が強い場合には手術が選択されることがあります。

放置するとどうなる?

・小指側の手の甲がへこんだままになる
・握力が低下する
・拳を握ると痛みが残る
・スポーツ復帰が遅れる

特に変形が残ると、ボールを握る動作や格闘技のパンチ動作に影響が出ることがあります。

よくある質問(FAQ)

Q:自然に治りますか?
A: 痛みが軽くても、骨折した部分がずれたまま治ってしまうことがあります。 一度ついた変形は自然には戻らないため、早めに専門医の診察を受けることが大切です。

Q:痛みが軽くても受診したほうがいいですか?
A: はい。腫れや痛みが軽くても骨折していることがあります。

Q:スポーツは続けてもいいですか?
A: 痛みがある間は運動を中断し、休止することが必要です。固定期間が終わり、医師の許可が出てから段階的に再開するのが安全です。

 

拳を使うスポーツや日常の衝撃でも起こりやすい外傷です。腫れや痛みが続くときは、変形を残さないためにも早めの評価が大切です。尼崎周辺でもご相談の多い外傷ですので、気になる症状があれば早めに専門医へご相談ください。