スポーツ名のついた疾患を紹介するシリーズ:第1回「フットボールアンクル」|尼崎市の整形外科|武部整形外科リハビリテーション|耳鼻咽喉科、デイケア

健康コラム TOPICS

2026.6.29

スポーツ名のついた疾患を紹介するシリーズ:第1回「フットボールアンクル」

 日本整形外科学会専門医    武部 健

「スポーツの名前がついた疾患」 をテーマにした連載を始めることにしました。テニス肘、ランナー膝、ジャンパー膝など、スポーツ名がついているものの、実際には競技者だけでなく一般の方にも起こりやすい疾患が多くあります。名前の印象だけで誤解されやすい部分もあるため、尼崎市周辺にお住まいの皆さまにも、日常生活に役立つ分かりやすい情報をお届けしていきます。

そして第1回は、ワールドカップ開幕に合わせて、サッカーに関連した疾患 「フットボールアンクル(Footballer’s ankle)」 を取り上げます。世界中が熱気に包まれる大会を観ていると、選手たちの力強いキックや俊敏な動きに目を奪われますが、その裏では足首に大きな負担がかかっています。
フットボールアンクルは、医学的には前方足関節インピンジメントと呼ばれ、足首の前方に繰り返しストレスがかかることで起こる障害です。サッカーでは、強いキック動作、急停止・急加速、相手との接触などが多く、足首の前方に負担が集中しやすいのが特徴です。

キックをするときに足首が強く伸ばされたり、踏み込んだときに足首が強制的に曲がることで、足首の関節をつくる骨同士が前方で繰り返しぶつかります。 その刺激が積み重なると、足首の前方に トゲのような骨の出っ張り(骨棘=こつきょく) が形成され、痛みや「詰まり感」の原因になります。このようにして骨棘ができて痛みが出る状態を、フットボールアンクルといいます。

症状としては、

  • 足首の前方の痛み
  • つま先を上に向けると痛みが強くなる
  • ボールを蹴る動作で痛む
  • 足首の前に詰まり感や腫れがある        といったものが典型的です。


治療は、炎症を抑えるための安静、アイシング、足首周囲のストレッチ、可動域練習、テーピングなどで改善が期待できます。痛みが長期間続き、骨棘が大きくなっている場合には、手術で骨棘を削る方法が選択されることもあります。
サッカーを長く続けている方や、社会人になってもプレーを楽しんでいる方の中には、足首の前方に慢性的な痛みを感じることがあります。こうした症状は「疲労」や「年齢のせい」と思われがちですが、骨棘ができているかもしれません。尼崎市で足首の痛みや違和感が続く場合は、どうぞお気軽に当院へご相談ください。