日本整形外科学会専門医 武部 健
10月8日は、日本整形外科学会が制定した「骨と関節の日」です。 「ホネ」の「ホ」が“十”と“八”に分かれること、そして10月は運動しやすい季節で、かつての「体育の日」(10月10日)にも近いことから、この日が選ばれました。
骨や関節は、私たちの体を支える“土台”です。 立つ、歩く、物を持つ、細かい作業をする――こうした日常の動作は、骨・関節・筋肉・靭帯・神経などの運動器が連動して働くことで成り立っています。どれか一つでも不調が起こると、生活の質は大きく低下してしまいます。
■運動器とは、体を動かすための“からだの仕組み”です
私たちが立つ・歩く・座る・物を持つといった日常の動作は、骨・関節・筋肉・靭帯・腱・神経がチームのように連動して働くことで成り立っています。これらをまとめて「運動器」と呼びます。
- 骨: 体を支える柱
- 関節: 骨と骨をつなぎ、滑らかに動かす部分
- 筋肉: 力を生み出すエンジン
- 靭帯・ 腱:動きを安定させる補強材
- 神経: 動きを正確にコントロールする司令塔
どれか一つでも不調が起こると、歩きにくい・立ち上がりにくい・痛みで動けないなど、生活の質は大きく低下します。運動器はまさに「体の土台」であり、健康寿命を支える重要な要素です。
■ヒトの運動器は、非常に高度で繊細な仕組みです
ヒトは二本足で直立し、手指で細かい作業ができる、他の動物にはない優れた運動機能を持っています。背骨を軸に体を支え、関節が滑らかに動き、筋肉が力を生み、靭帯や腱が動きを安定させ、神経がそれらを正確に制御します。
この“運動器のチームワーク”があるからこそ、私たちは毎日を自由に動き、働き、楽しむことができます。だからこそ、運動器の健康を守ることは「未来の自分を守ること」につながります。
■骨は「体を支える」だけではありません
骨には、
- カルシウムを蓄える
- 血液をつくる という生命維持に欠かせない役割があります。
骨が弱くなると、転倒や骨折のリスクが高まり、生活の自由度が大きく制限されます。 関節の痛みや筋力低下も、外出や運動量を減らし、さらに運動器の機能低下を招く悪循環につながります。
だからこそ、運動器の健康を守ることは「未来の自分を守ること」でもあります。
■今日からできる運動器のセルフケア
- 軽い運動を続ける ウォーキングやストレッチは、関節の動きを保ち、筋力低下を防ぎます。 特に、スクワットは下半身の筋力維持にとても効果的です。 膝や腰に不安がある方でも、椅子を使った“安全なスクワット”なら無理なく取り組めます。
椅子スクワットの例:
1. 椅子の前に立ち、足を肩幅に開く
2. ゆっくり腰を落として座る
3. 反動を使わず、ゆっくり立ち上がる
これを5〜10回、できる範囲で行うだけでも太もも・お尻の筋力維持に役立ちます。
下半身の筋力は、転倒予防や歩行の安定に直結します。 毎日の生活の中で、少しずつ続けることが大切です。
- 骨と筋肉を育てる食事を意識する カルシウム、ビタミンD、タンパク質をバランスよく摂りましょう。
- 痛みや違和感を放置しない 「そのうち治るだろう」と我慢すると、症状が進行することがあります。 気になる症状があれば、早めにご相談ください。
■当院からのお知らせ
10月8日の「骨と関節の日」をきっかけに、ご自身の体を少し見直してみませんか。 運動器を大切にすることは、これからの人生をより豊かにする第一歩です。
当院では、10月30日(金)に第218回 健康教室を開催します。 タイトルは「動いて!考えて!楽しく健康づくり ~いつまでも自分の足で歩くために~」です。
ロコモ予防のための簡単な運動、転倒を防ぐための体づくり、そして脳の活性化につながる楽しい脳トレをわかりやすく紹介します。
日時:10月30日(金) 13時30分~14時30分
場所:第1リハビリ室
運動器に不安がある方、予防に興味がある方、脳トレを体験してみたい方、どなたでもご参加いただけます。 皆さまの健康づくりに役立つ時間になるよう準備しておりますので、ぜひお気軽にご参加ください。